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BASSONICで聴く映画 第42回(1917 命をかけた伝令)

今回は「1917 命の伝令」をAmazonPrimeにて視聴しました。

この「1917 命の伝令」で描かれるのは伝令を命じられた1兵士の話です。
第一次大戦の話なので、無線の信頼性が低く、ある塹壕から別の塹壕へ鳩や人間が直接メッセージを持って行くことも多かったそうです。その途中には敵がいることもあり、伝令は命がけの任務になることが、このタイトルの由来です。

「プライベートライアン」以降、戦争映画というと部隊とか戦局を描くより、1兵士の心情が描かれるものが多くなったように思います。「ハクソー・リッジ」なんかもそういう流れの映画でしたが、この映画では、更に突き詰め、伝令役のウィルとトムを描く事だけに振り切っています。
普通の映画だと主人公が何かをしている時に、相手側の描写を交えることで、主人公たちの目論見が上手くいかないのでは?という不安を与え、盛り上げるのが定石ですが、一貫して主人公しか映さないのと、狭い塹壕のシーンが多いので、操作のできないアクションゲームを見ているような感じでした。

もちろん、ワンカット撮影ならではの緊迫感やリアリティはあるし、この撮影は本当に大変だったろうと思うシーンも多いのですが、如何せんストーリー的に伝令を伝えるだけという単純なものであり、深みのあるストーリー展開などはないため、地味な地獄絵図を延々と眺めさせられているというか、結局ゲーム的な映像を眺めているような印象でした。

 

音はなかなか良いものが入っています。戦闘機が後ろから前へ進んでいくときの移動感なんかもバッチリで、本当にその場にいるようなリアルな音が入っています。ただプライベートライアンの冒頭のような派手な戦闘シーンはないので、音も地味めです。

 

好き嫌いがはっきり分かれる映画です。ストーリーを求めず、映像体験だけにふりきっている映画なので、それで良いのであればオススメです。

それでは良い音をお楽しみください。