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BASSONICで聴く映画 第34回(スリーブオーバー ~夜の大冒険~)

Netflixオリジナル映画「スリーブオーバー ~夜の大冒険~」のレビューです。

今どき高校生の娘にスマホも持たせない厳格な専業主婦のママに家族の知らない別の顔があったら?という、コメディでは古典的とも言えるプロットですが、「奥さまは魔女」ではなく、元泥棒だったのです。

 

Netflixのあらすじを見ると、「泥棒にパパとママがさらわれた!スパイ道具を使って子供達が奮闘する」的な内容が書かれているんですが、シナリオ決定に紆余曲折があったのか?風呂敷を広げたまま、収まりきらなくなったようです。

子供達はさらわれたママを救おうと現場に向かうべく奮闘するところはジュブナイル向け映画としてはとても良いのですが、スパイ道具を使ってママを助けるようなシーンは無く、活躍するのはママと泥棒の元婚約者で、パパはひたすら情けない。ついでに言えば、かなり大事に育てられてきた様子の子供達は一度もパパの心配すらせず、泥棒している上に警備員をなぎ倒すママに拍手喝采って、この子達はどんな家庭環境で育ったのかと、ファミリー向けのコメディーだからこそシナリオライターを問い詰めたい気にさせられます。

と、シナリオについてはツッコミどころ満載で、家族で見るのは、特にお父さんは辛いと思います。

 

さて、サウンドの方はどうかと言うと、流石に最近の映画なので、なかなかいい音が入っており臨場感はとても良いです。

とは言え、ファミリー向け映画なので、それほど攻めた音はないのですが、ママの秘匿していた車のシーンや最後のカーチェイスシーンは、なかなかの音を鳴らしてくれます。

 

最後に、子供達が親を探すために、ママが残した暗号を解き明かしていく辺りはなかなか良かっただけに、全体のシナリオの出来の拙さが足を引っ張っているのがとても残念な映画です。

 

それでは良い音をお楽しみください。