BASSONICで聴く映画 第30回 (聲の形)

BASSONICで聴く映画 第30回目は、京都アニメーション(以下、京アニ)制作の「聲の形」です。京アニというと、あの惨劇を思い出す方も多いことと思いますが、日本最高峰のアニメーションスタジオの1つです。

 

「聲の形」は、障害といじめという非常にセンシティブなテーマを扱ったアニメーションです。

 

先天性の聴覚障害を持った少女・西宮硝子が転校してきます。西宮は「筆談用ノート」でクラスメイトと交流しようとするのですが、石田将也が中心となり西宮を酷いいじめを受けるようになります。硝子の補聴器が8回も紛失・故障したことで、校長の耳にも入り、学級会が開かれ担任の教師により石田が犯人と決めつけられます。

それを機にいじめの対象が石田になり、彼は自分を非常に嫌悪し、周囲から孤立したまま、高校3年の春、補聴器代を弁済した母にその代金を返済し、死のうとするところから物語が始まります。

 

お話としては非常によく出来ており、ぜひご家族で見ていただき、お子様たちと学校や先生、いじめに関して話す機会にしていただきたいと思います。

 

映像的には さすがの京アニという感じで、同社の「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」ほどではないものの、非常に丁寧に描かれており、こうしたシリアスなストーリーにマッチしています。逆に、この話を実写で撮るのは役者の演技経験的に非常に難しいと思われるので、アニメで良かったと思えます。

 

 

 音もステレオではあるものの音質はよく、

  • オープニングの曲「MY GENERATION」の声とドラムの音がとても良いです。
  • BGMはほぼアップライトピアノですが、非常にピアノらしく聞こえます。良いスピーカーでぜひ聞いてほしい音だと思います。
  • 西宮さんの声が先天的な聴覚障害者らしいリアルな声で、通常のアニメであれば可愛い声にしてしまいがちですが、そういった逃げをしていないところが素晴らしいです。
  • 前半で西宮が川におちたノートを拾うため、飛び込むシーンの音が凄い。よく作ったなと思う出来です。
  • 花火大会の音も凄くリアルで、花火の発射音までちゃんと入っているのはこだわりを感じます。

 いかがでしたでしょうか?10代の様々な苦味を、逃げることなく描ききった本作品。絵もストーリーも日本最高峰のアニメスタジオだからこその出来を、ぜひご家族で見ていただき、感想を話し合っていただければと思います。

 

それでは良い音をお楽しみください。