
BASSONICで聴く映画 第28回目は、「弧狼の血」です。ヤクザ映画っぽいので普段なら見ないのですが、インスタでフォローしている方が褒めていたのと、Netflixからのリコメンドが97%と高かったので視聴いたしました。
最初は、単なるヤクザっぽい刑事の話と思いきや、後半あっと驚く展開が待っています。
役所広司がヤクザにしか見えないマル暴の刑事・大上を演じています。そして相方が松坂桃李。いかにも融通の効かない優等生的な新入りで、役所広司に振り回される日岡を好演しています。
サラ金の金庫番の男が、壮絶なリンチを受けている所から話は始まります。その男が疾走したという事で、大上が捜査に乗り出すんですが、やってることがヤクザの上前を跳ねるようなことばかりの大上と、それを許せない日岡、基本的に日岡の目線で物語は進みます。最初はうわぁ昭和臭い!とか思って見るんですが、要所要所では大上の言っていることが至極まっとうなことに気づかされます。実は日岡は、大上の素行を内定調査をするため県警から派遣されていたのですが、大上を告発するには十分な証拠がある様子なのに、県警は14年前の殺人事件の関与の証拠が、大上の日記にあるらしく「日記を持ってこい」の一点張りで、何だかこちらも変だと思ったところに、ヤクザの抗争が絡んできて…
と言う感じのストーリーで、前半ヤクザ映画、後半ミステリー映画という感じの構成です。後半では、様々なネタバレが行われ、大上に対する印象がガラッと変わるシナリオは見事だと思います。
さて、当ブログにとって重要なのは音です。
- 正直なところ意外だったのですが、サラウンド感がいいです。
会議などでは面白いようにちゃんと、その位置に人がいるはずという方向から音が聞こえます。念の為ことわっておくと、BASSONICはステレオスピーカーであり、5.1チャンネル等のサラウンドスピーカーではありませんが、この映画では画面の外や背後から音が聞こえます。
ハリウッド映画でも、方向感をちゃんと出してくる作品は多くないので、音響スタッフの気合を感じます。 - 一部にヤクザ映画らしさを出そうとしたのか、いかにも古いヤクザ映画っぽい感じの効果音(拳銃の音とか、耳をかじったときの音とか)が使われていたりしますが、これは”あえて”やっているのだと思います。
- ナレーションの声が、いかにもヤクザ映画(www)
いかがでしたでしょうか?ヤクザ映画ではあるけれども、シナリオは一般人でも楽しめる出来のため、私を含めヤクザ映画が苦手な人でも楽しめる映画でした(とはいえ、最初のリンチシーンは本当にエグいので覚悟は必要です)。続編の製作も決定され、そちらの方も期待が持てます。
それでは良い音をお楽しみください。