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BASSONICで聴く映画 第23回 (インセプション)

勝手にクリストファー・ノーランWeek第3弾、本日はインセプションです。これまで紹介してきた2本も素晴らしいですが、この映画だけでも映画史に名が残るであろう傑作です。

既にご覧になった方は最後のコマ、回り続けたと思います?それとも止まったと思います?

 

コブ(レオナルド・ディカプリオ)は人が夢を見ている最中に、その潜在意識の奥深くにもぐり込んで相手のアイデアを盗むことのできる優秀な人材だった。彼は、企業スパイの世界でトップの腕前を誇っていたが、やがて国際指名手配犯となってしまう。そんなある日、コブの元に“インセプション”と呼ばれるほぼ不可能に近い仕事が舞い込む。

 

コブたちは夢の共有ができる機械をつかって、ターゲットと夢を共有し騙してアイデアを盗むんですが、今回のメインターゲットに対してはアイデアを逆に植えつけ、望む方向に操ることを”インセプション”と呼び、それは不可能に近いと言われています。

夢だから何でもありというわけではなくて、荒唐無稽だと相手に夢だと悟られて、自殺されてしまうので(自殺すると目が覚める)、実際の詐欺のように舞台設定を作り、相手を騙します。この舞台設定は街だろうと夢の設計士の思うがままに作ることができます。

ですが、今回のターゲットは一流企業の御曹司なので、こうした潜在意識に対する攻撃の防御術も習っており、スパイを察知すると、護衛というかヒットマン的なものを出してコブたちスパイを襲ってきます。

 

最初に言ったコマですが、これは夢があまりにリアルなため、今自分が夢をみているのか、そうでないのかを判別するためにコブはコマを回して、回転が止まったら現実。回り続けたら夢の中という判別方法を取っていて、夢から覚めると必ずコマを回すんです。

これは指名手配の原因にもなった事件が絡んでいているんですが、インセプションを依頼してきたサイトー(渡辺謙)が指名手配を取り消すことを条件に、コブはこの依頼を引き受けます。指名手配されたことによって自分の子供たちに会えない状況にあり、最終的に依頼を果たして子どもたちと再開するんですが、そこでコマを回すんです。

ですが、コマが止まる前に映画が終わってしまうので、これは夢なのか、現実なのか、どっちなんだ?と、公開当時はかなり話題になりました。コマは少し回転が落ちるので現実なのか?と思えますが、子供達の服装や見た目が、コブが別れた時と変わっていないので夢なのか?と、どっちにも取れる演出のため、見ると凄く気になってしまいます。

 

映像的にも、これぞ夢という感じの実際に回転する部屋を作ってのCGなしの格闘戦、せり上がるパリの町並み、各夢の階層の崩壊シーンなども見どころです。

 

次に音の方ですが、

  • サラウンド感はよく出ており、波の音、外の暴動の音、どれも本物のように聞こえます。
  • サイトーの第2階層の夢の崩壊時の音は、少し軽い感じがしますが、十分に迫力があります。
  • パリのカフェにいる時、物が爆発する時の音が非常に鋭く、爆発音に動きがあり花火のようで楽しいです。
  • 本番のフィッシャーの夢で、車が電車に当たる時の音が凄まじいです。夜家見るときはご注意下さい。
  • 更に銃撃戦の臨場感がよく出ています。かなりどっちの方から銃が撃たれたのか分かります。
  • 本番の第3階層の雪崩では流石にBASSONICの限界で、もっと大地を揺るがすような重低音がほしくなるところです。

いかがでしたでしょうか?私の文章力が足りず、この映画の魅力をお伝えできたか不安ですが、ストーリー、映像、音ともに非常にハイレベルの作品ですので、もし未見の方は是非ご覧ください。

 

それでは良い音をお楽しみください。