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BASSONICで聴く映画 第11回(ヒックとドラゴン)

数あるCGアニメーション映画の中で、最も好きな作品。BASSONICで聴く映画 第11回「ヒックとドラゴン」です。


主人公の少年ヒックとドラゴンのトゥースの友情と冒険の物語で、日本以外の国では非常に人気の高い映画シリーズです。映画で3本、テレビシリーズで外伝併せて10シーズン以上作られていると言えば、人気の程が分かると思います。

今回ご紹介するのは、その最初の1本目です。


この映画の魅力は、なんと言ってもストーリーに有ります。ヒック達バイキングは、羊を狙ってくるドラゴンと長年戦い村を守ってきました。族長ストイックを父に持つヒックは何をやっても空回りで失敗ばかり、しかしある時、誰もハッキリと姿を見たことの無い、ナイトフューリーのトゥースを捕まえる事に成功します。最初は殺して手柄にしようとしたヒックでしたが、心優しいヒックは殺す事ができず逃がす事にしました。

しかしトゥースは捕まえられた時に、左の尾羽を失っており、自力では上手く飛べず逃げる事もままならない状態でした。見かねたヒックは魚を与え、そこから仲良くなっていきます。ヒックはトゥースを観察する事でドラゴンの生態を理解し、それをドラゴン退治の訓練に役立てていくことで、村の人気者になっていきます。

と、ここまではよくある成長物語なのですが、大事なのはトゥースが単独では飛べなくなっている点です。

これがあるからこそ、最後に争ってきたものとの共存と言うテーマを突きつけられ、大人が見ても十分に感慨深いストーリーとなっています。どういう事かは是非ご覧になって確かめて下さい。


映像的にもトゥースに乗って飛ぶシーンの心地よさは何度見ても素晴らしく、10年以上前の作品と言う古さを感じさせません。


さて、音に関してですが、改めて聞き直してみたのですが、あれ?こんなだったっけ?というくらい音に迫力が足りてません。トゥースがブレスを吐くシーンではそれなりの音なのですが、バイキング達とドラゴンの戦闘シーンでは明らかにもの足りません。特にラストバトルの巨大ドラゴンは、シンゴジラばりの音を期待してしまいますが、それもかなりおとなしい音でした。どうもセリフ以外の音量をかなり絞ってあるようです。


ファミリー向け、しかも配信向けと言う事で、敢えて効果音を絞ったのかも知れませんが、好きな作品だけに残念です。


音に関しては残念ですが、アカデミー長編アニメーション賞を取ったのは当然と思える素晴らしい作品なので、一人でも多くの人に見ていただきたいと思います。


それでは良い音をお楽しみください。